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瀧消化器内科クリニック院長 瀧 智行

「検査」で地域に貢献する

大腸がんの早期発見につながる内視鏡検査を中心とした「検査に特化したクリニック」で診診連携の流れを支え、地域医療に貢献する瀧消化器内科クリニック。院長の瀧智行先生に、医師になったきっかけや人生のターニングポイント、医学を志す若者へのメッセージなどを伺いました。

浪人がきっかけで医学の道へ

「裁判官になりたい!」小学校の卒業文集で、私はそう書いていたようです。血を見るのが苦手だったため、医学は漠然と「怖いもの」というイメージを持っていました。大学受験では工学部を目指したのですが叶わず、家庭の事情で予備校に行くのもためらっていた時に転機が訪れました。高校の先生が助け舟を出してくれ、ある予備校の医学部コースに推薦してくれたんです。そのおかげで少ない負担で予備校に通えるようになり、医学部を受験することになりました。

熱い志を持って医学部に入ったわけではなかったので、優秀な学生ではありませんでした。高校時代に生物を選択しなかったため講義についていくのがやっとの状況。それでもなんとか卒業し、医師免許も得ることができました。医師という仕事に強い興味を持ったのは、勤め始めてからだったんです。

自分を追い込み、見えてくるもの

勤務先を決める頃に私が考えていたのは、「忙しい所に行かなきゃダメだ」ということ。のんびりした性格のため、自分を追い込む場所に行く必要があると考えました。当時、忙しいことで有名で学生が行きたがらない病院が3つほどあったのですが、そのひとつに志願し、研修医生活が始まりました。

研修先の病院は噂どおりの忙しさで、5日に1回は寝ずの当直がある肉体的にも精神的にも厳しい場所でした。死に直面するような患者さんも次々と来られ、医師という仕事の重さも目の当たりにしました。その一方で、医師の素晴らしさや奥深さ、やりがいなども体感することができました。

特に内視鏡を操ることに関しては、やればやるほど上達していく部分や職人に通じる世界観が自分に合っていると感じ、手技の向上や試行を重ねることにのめり込みました。大学病院や関連病院での勤務時代も、最新の機器を扱わせていただいたり世界初の診断に関わらせていただいたりと、貴重な体験ができました。

内視鏡の可能性に想いを馳せる

 内視鏡を扱うことの醍醐味はやはり、がんなど重大な病気の早期発見に貢献できることです。がんが見つかるというのは、患者さん本人にとってもご家族にとっても一大事です。しかし、その状況の中でも「超早期の状態で見つけてくれたおかげですっかり良くなりました!どうもありがとうございました。」と言っていただけると医師としての使命を果たせたのかなとホッとします。

 また、内視鏡の技術や機材の進歩も格段に進み、現在では内視鏡が治療にも活用される時代になりました。将来的にもさらなる可能性を秘めた分野だと感じています。特に日本は内視鏡先進国で、手技において高いレベルが維持されています。日本で技術を学んだ外国人医師が母国に戻って大活躍しているという話を聞いたりすると、とても誇らしい気持ちになります。

医師としてのターニングポイント

自身のキャリアを振り返ってみると、ターニングポイントとなる出来事がいくつかありました。ひとつは厳しい研修医時代を乗り越えたこと。それが大きな自信となりました。次が、大学病院に戻った時のこと。内視鏡の扱いがすごく上手な上司とめぐり会うことができ、真似るうちにできるようになっていく成長の喜びを知ることができました。内視鏡を扱う入り口の部分から、最後はものすごく高い次元のテクニックまでを習得することができました。

さらにもうひとつのターニングポイントとなったのが、地域で高名な病院に30代前半で赴任し、トップのポジションで内視鏡検査ができたことです。自分なりに方向性を考え、院長に「これをやってみたい!」と提言すると「やってみよう!」と応えていただける、裁量の大きな仕事にやりがいを感じることができました。その病院では他に先駆けて経鼻内視鏡やカプセル内視鏡、CTでの大腸検査などを取り入れることができました。新しい検査の導入には、検査の流れ(プロトコル)からの検討が必須で大変な思いもしましたが、確かな手応えも感じることができました。

開業医としてできることを

さまざまな病院で多くの経験をさせていただいた後、2011年に「検査に特化したクリニック」を開院することになりました。土日しか検査を受けられない患者さんがいる一方で、公立病院は土日の検査を行っていない状況。その中で、「開業医として地域のために何かできないか?」と考えたうえでの結論でした。

患者さまも最初は「すごく良くなりました!」と喜ぶのですが、時間が経つにつれて「普通です」と言うようになるんです。しかし考えてみると、それまで病気に苦しみ、ベッドから離れられずにいた人々が『普通の生活に戻る』というのはすごいパワーです。

当時は病院と診療所が協力する「病診連携」への理解が進み、医療の高度化も進んだため検査が総合病院に集中するという課題がありました。私はその逆の発想で、検査に特化したクリニックを作ることで総合病院の負担を減らせるのではと考えたんです。さらに、今後は診療所同士の「診診連携」も進むと考え、他のクリニックで必要な検査も当院で行えるようにしました。「地域にあるクリニック全体でひとつの総合病院である」というイメージです。現在、当院で行っている内視鏡検査の半分ほどは近隣のクリニックから依頼されたものになっています。

医師の道を志す若者へ

医師の道を志す若い方たちにまず伝えたいのは、無限の可能性があるということ。若いことは純粋にうらやましいと感じますし、エネルギーもあります。アドバイスがあるとしたら「とにかく何事もやってみること」かなと思います。新しい課題に対峙した際、できない理由を探すのではなく、どうやったらできるようになるのかを考えるようにすると、その先に面白いことが待っていると思います。

また、医師として「自分にできることは何だろう」と問い続けることも重要です。医師はすばらしい仕事です。なかなかできる仕事じゃありません。命を扱う重みや、患者さん本人だけでなく家族や知人など周りへの影響も考えて凹むことも多々あります。しかし、どんな時でも自分にできることを考え、それを実行していくことが成長につながるのだと思います。高齢化社会を迎えた現在、医療全体も「介護」の方向を向いている気がします。しかし、私たちのように「検査」をしっかりと行う医師の存在も変わらず重要だと思います。検査の重要性に目を向ける若い力が増えると、とても心強いですね。

瀧 智行(たき ともゆき)氏プロフィール

名古屋大学医学部卒業。小牧市民病院や山下病院、名古屋大学医学部などで研鑽を積み、2011年に「瀧消化器内科クリニック」を開院。消化器内科、特に内視鏡医療を中心に医療を通じて地域社会に貢献することをモットーに、クリニックで行った内視鏡検査の統計データ公開や地域医療機関との積極的な連携に取り組んでいる。

所属学会・認定医
医学博士(名古屋大学)
日本内科学会:認定内科医
日本消化器病学会:専門医、東海支部評議員
日本消化器内視鏡学会:専門医、指導医

瀧 消化器内科クリニック
[診療科目]
一般内科、消化器内科、胃・大腸検診の二次検査(胃カメラ・大腸カメラ)
[所在地]
愛知県一宮市神山1丁目4番2号
TEL.0586-47-7023